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先日、
失恋したばかりの女性に会いました。
彼女は酔っていました。
何かを忘れたくて、何杯もお酒のお代わりをしていました。
訳もなく笑っていた。
そして、その笑い顔の奥に心なしか寂しさがありました。
「マスターのオーデコロンの香りが好きだ。」と言い、また飲んでいる。
「もうやめた方がいいよ。」そう言った。
彼女は「ふっ」と笑いまた飲んだ。強くした『ディタグレープ』。
彼女は「匂いを嗅がして。」と俺に言った。
彼女は匂いフェチかな。一瞬そう考える。いや違う。
判れた彼氏と同じ香りがするのかも?
「いいよ、いっぱいどうぞ。」ジャケットを渡そうとした。
「いいよ。このままではダメ?」一瞬躊躇った俺!
「いいよ、はい。」彼女は肩にもたれかかって来た。
「やっぱり良い香り。良い匂い。」そう呟いた。周りから見たらナンパしていると思うだろうな?そう思いながら突っ立っていた!
「ありがとうマスター。大好き。辛くなると良くここに来るの。元気がもらえるから。最初にお店に来たときにマスターから宇宙を教えてもらったの。そしてこの香りも。ここへ来ると元気が貰えるから。」
そう言いながらハウスミュージックに誘われて踊り場へ行った。
「俺もう帰るから。気をつけて帰るんだよ!?」
「じゃ私も。」歩くのも大変な彼女をやっとの思いでタクシーへ!
別れ際、「ありがとう。何か皆にプレゼントを贈るね。」
そういい残して彼女は六本木方面へ消えた。
辛いんだな。誰にも言えないんだな。いっぱいいっぱいなんだね。
皆、大変だよね。俺はいつもここにいるから、いつでもおいでよ。
元気になっておいでよ。そう思う自分でした。